航空自衛隊医官よもやま話(4) | IMCニュース

航空自衛隊医官よもやま話(4)

前回は小生の沖縄勤務で一話が終了してしまいました。その沖縄から昭和58年8月に自衛隊中央病院に転勤になり、今回は国家公務員共済連合会三宿病院内科で勤務することになりました。現在は自衛隊と共済組合双方の医師が勤務していますがその当時院長(自衛隊OB)以外すべて自衛隊医官が診療する病院でした。一般の病院と少しも変わらず、医官も制服を着ているわけでもなく、患者さんたちも自分らが自衛隊の医者でそれぞれ何空佐、何海尉などと呼ばれている人とは知らずに診療を受けていました。しかし自衛隊内の病院とは違い患者さんも多く、病気も多岐にわたり忙しさも半端ではありませんでした。特に普通の病院の特徴でしょうか高齢者の比率が高く自衛隊内の患者さんの構成とは大きくことなります。三宿病院での勤務は普通の病院勤務で特別な事はなく忙しく仕事に勤しんでいました。しいて言えばその当時は良く遊びよく仕事しの典型で、週に2度位夜テニス。月に1試合から2試合野球をと先輩のダブルO先生を中心に総勢10数人で楽しんでいました。冬になればスキーへ。本当によく時間があったと思えるほど充実して遊んでいました。(勿論仕事はそれ以上に)。ですが小生にとって三宿病院での2年間は医者としての自信を付けさせてもらった貴重な時間でした。昭和60年4月国内留学として航空自衛隊から母校の日本大学大学院医学研究科、臨床病理学教室に入学させて頂きました。30歳を超えた大学院生です。教室には自衛隊からもう一人先輩の3等陸佐M先生がおり、教室員の一番下っ端は小生の大学時代の準硬式野球部の5年下の後輩2名でした。つまり新しく新参者として入局した小生は彼らにとってこき使える新入生ではなく敬語で接すべきクラブの大先輩でした。小生にはある意味天国かな?それでもこの教室のルーチンの業務には骨髄像の診断、血液検査、生化学検査、尿検査、細菌検査などの結果の管理、診断評価などがあり小生にとり新しい分野で、先輩であり後輩である二人の先生に一からご教授を受けどうにかルーチンをこなせる様になりました。でも小生にも得意不得意があり昔の先輩風で『悪い。今日これちょっと代わって』とか言って後輩に頼っていました。小生大学卒業と同時に大学を離れ、大学の医局の経験はなく最初は中々教授、助教授、講師の先生方との接し方もストレスでしたが、やはり可愛い後輩たちのおかげですぐ慣れて楽しいものにしてしまいました。(その陰で可愛い後輩たちは泣いていたかも知れません)他大学院生活では勿論小生は学生であり、学生証を持ち学割の定期、映画も学割(子供を二人連れて)などなど。更に航空自衛隊のお仕事としても自衛隊中央病院、三宿病院で週1回の内科外来を担当し給与を頂いておりました。今思えば国家のために自衛隊へ奉職し?国家よりこのような機会を与えて頂き幸運だったなーと。しかし大学院留学は勿論遊ぶためでなく研究し学位論文を提出し博士号を頂戴し航空自衛隊へ帰参するためです。最初の2年間は教授や諸先輩の指導で血液学的なテーマの研究を多くしていましたが、小生にとって幸運なことは国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)におられたK先生が我が教室に帰ってこられ巡り会えたことでした。ある日皮膚科を受診した患者さんの皮疹を見たK先生がアメリカで流行していたライム病を疑い、皮膚科の先生とコンタクトをとることになりました。その患者さんの現病歴を見ると、山でマダニに咬まれたこと、腹部に所謂慢性遊走性紅班が認められたことなど強くその病気を疑い血清検査をアメリカCDCに依頼、陽性の結果が報告され、わが国で初めてのライム病症例として『Infectious Disease』に発表、小生も共同研究者として名を載せていただきました。それを機会にK先生を中心に日本でのライム病の疫学調査、血清診断の確立、啓発に向けて研究を開始しました。まずは日本国内のマダニ咬傷の現状、それにも伴う皮膚症状、神経症状などライム病の症状を疑わせる症例の検索、血清診断法の確立と精度管理などをK先生の指導の下纏めていき、その仕事が小生の学位論文となりました。血清診断法を確立するために小生の出身母体の利を生かし航空自衛隊幕僚監部主席衛生官室の力を借りマダニ咬傷の可能性のある全国のレーダーサイト、高射隊基地の隊員ら900名以上の血清を集めることが出来ました。それらを使い新しい血清診断の感度、特異性を検討し診断法を確立できました。一年後K先生がJICAの仕事でパラグアイへ派遣されることになり教室のライム病診断業務は小生の責任となり全国から送られる血清の診断、原稿依頼も多く充実した研究生活でした。学会発表もイタリアでの世界臨床病理学会、台湾で日韓台臨床病理学会など海外での発表もあり学位論文に花を添えることが出来ました。おかげで平成元年3月無事大学院を優秀な?成績で卒業、めでたく医学博士となり航空自衛隊へ帰参、平成元年8月自衛隊三沢病院へ転属となりました。転属して1,2ヵ月後どこで調べたのかフジテレビのスパーニュースがライム病を取り上げて小生のいる青森県三沢の航空自衛隊三沢基地まで取材に来てくれ、小生は凛々しい制服姿(軍服姿)で全国放送のテレビに出演?したのです。両親、妻子達の誉れの一瞬でした。

また紙数が一杯になり次回へ続きます。多分次回で完結予定です。

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