大腸の病気Ⅱ | IMCニュース

大腸の病気Ⅱ

今回は大腸癌についてお話したいと思います。市の検診でも大腸癌の早期発見のために便の潜血反応を行うようになりました。近年大腸癌は肺癌同様に我が国で増加している癌のひとつです。かつては消化管の癌といえば胃癌が最も代表的で多い病気でした。現在でも胃癌は日本人の癌のなかで絶対数は最も多い癌と言えますが、その死亡率は年々減少しています。これは過去30年間、胃癌に対してその早期発見、早期治療に多くの医師や医療機関が検診制度、治療法の開発に邁進した給果といえるでしょう。現在胃癌特に早期胃癌の5年生存率、発見され治療(切除)された患者さんが5年間再発せずに生きられる確率は、100%に近い数字であり、10年生存率も90%以上です。このように癌といえども早期発見、早期治療により完治しえるのが現況です。一方大腸癌においても、スクリーニング検査として便潜血反応の有効性が証明され、大腸内視鏡検査の進歩により検診、診断、冶療はこの10年間に飛躍的に前進しました。

最初に大腸癌が増加していると前述しましたが、どのくらい増えているかと申しますと、胃癌の死亡率は1950年から1988年の間に男女とも半減しているのに対して、大腸癌の死亡率は男性で3倍強、女性で2.5倍に増加しています。増加している原困としては食事の西洋化が第一にあげられます。それを証明するためにも大腸癌のリスクを上げる要素と下げる要素を次に示します。

上げる要素

1)高脂肪食

2)肉 食

3)アルコール(特にビール)

4)大腸癌家族歴

下げる要素

1)高繊維食

2)緑黄色野菜

3)喫煙

4)出産

大腸癌は一般に結腸癌と直腸癌に分けて考えます。実を言いますと結腸癌は増えていますが直腸癌はそう増えていません。大腸は部位別に五つに分けられます。小腸に近い部位から上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸です。その癌の発生頻度は直腸癌51%、S状結腸癌25%、次いで上行結腸癌、下行結腸癌、横行結腸癌の順で、直腸とS状結腸の下部大腸に約75%が発生しています。年齢は50~60歳代に多く男女差はありません。

大腸癌の出来方については諸説あり定説はありませんが大体次の二つが有力です。大腸腺腫(いわゆる大腸ポリープ)を母体とするもの、もう一つは腺腫などのポリープを経ずに発生するものが考えられています。前者は良く皆さんも“ポリープをとった”と聞いたことがあると思います。ポリープを発見し内視鏡的に切除することが癌の発生を予防する方法として現在一般化されています。後者については早期に診断、発見することはなかなか困難ですが大腸癌検診として大腸内視鏡検査の普及が今後早期発見、早期治療を可能にしていくものと思います。一次検診としての便潜血反応は特に上述したポリープ発見に有効と考えられます。ポリープは大きくなると出血しやすくなります。勿論癌となってしまった腫瘍はポリープ様でなくても出血していることが多く、便のなかの血を調べることは癌やポリープの存在を知るために現在最も優れた方法です。また癌は大腸癌に限らず初期は症状がない病気です。このため症状のない時期に癌を発見することはその後の治療、予後に決定的な要素となります。全ての癌検診はこのために行われています。症状(大腸癌では出血、血便、便通異常、便秘、下痢、腹痛など)が出てからの検査での早期癌の発見率は低く、進行癌である確率が高くなります。勿論進行癌として発見されたとしても治療は可能ですし完治も望めますが、やはり早期癌に比べればその予後は大分悪くなります。

次に大腸検査法について説明しましょう。大腸検査法は通常レントゲ検査と内視鏡検査が行われます。前者は肛門よりバリウム(造影剤)を入れ、さらに空気を挿入して大腸全体を観察します。長所としては腸全体が一度に観察でき、技術的にも簡便であることです。短所としては前処置が不十分な場合の診断価値が低いこと、間接所見のため確定診断が内視鏡に比し難しいなどです。内視鏡検査は肛門よりファイバーを挿入し大腸の内腔を直接観察していく検査です。内視鏡は観察、診断だけでなく、ポリープ切除(ポリペクトミー)、病変の組織の採取、出血している場合の止血などの治療も同時に行えます。短所としては、術者の技量、腹部手術の既往などの条件により痛みや回盲部までの到達成功率が違うこと。また内視鏡検査でも病変の見落としが皆無ではなくできればレントゲン検査と内視鏡検査の長所を組み合わせて行うのが最善の検査と考えます。しかし患者さんの負担も考慮して一次検診の便潜血反応陽性者は直接大腸内視鏡検査を行い全大腸が先の理由等で観察できなかった場合にレントゲン検査を行うようにしています。

以上大腸癌についてお話しましたが、まとめとして次の点を今後の注意として頂けると幸いです。

1)癌検診を必ず受けましょう。受けて異常の場合は必ず大腸の検査を受けましょう。

2)大腸癌の症状として最も重要なのは便通異常(便秘、下痢、血便など)です。ご自分の普段の便通を知り、異常があれば医療機関を受診しましょう。

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