大腸の病気(2001年2月 ) | IMCニュース

大腸の病気

〃大腸の病気〃と言うと皆さんは大腸癌、大腸ポリープを思い起こすのではないでしょうか。勿論特に大腸癌は大腸の病気のなかで最も怖い病気の代表です。今回このコラムを担当させて頂くに当たり、大腸癌についてもお話ざせていただきますが、他にも多くの疾患が大腸にあることも知識の片隅にお持ちいただければ幸いと筆取りました。最初に大腸の病気を簡単に分けてみます。

1.腫瘍

    a.癌

    b.ポリープ(腺腫)

    C.結核腫

2.炎症

    a.感染性または中毒性大腸炎

    b.特異性大腸炎(潰瘍性大腸炎、クローン病など)

    c.アレルギー性大腸炎(薬剤、食品など)

    d.循環不全による大腸炎(虚血性大腸炎)

3.機能障害

    a.過敏性腸症候群

    b.吸収不良症候群、蛋白漏出性胃腸症

4.その他

    a.大腸憩室症

    b.腸閉塞

勿論このほかにも色々な原因による大腸疾患がありますが代表的なものだけを挙げてみました。このなかで少し説明を必要とするものもあります。例えば2.a.はいわゆる急性大腸炎、即ち風邪の下痢、腹下しの他コレラ、赤痢、食中毒などを指します。2.b.は最近多くなっている病気で慢性の大腸炎です。原因は未だ完全には判明していませんが免疫の異常や神経的な要素も影響する疾患で多くは若年者の病気です(中年に発症することもありますが、老年では稀です)。そのほか最近増えている病気としては過敏性腸症候群と虚血性大腸炎が挙げられます。過敏性腸症候群は大腸そのものには特に異常なく、それを支配する神経(自律神経)の調節が障害され便秘や下痢等を引き起こす病気です。この病気は精神的な要素(ストレスなど)や食習慣、生活習憤が影響します。虚血性大腸炎は簡単に言えば大腸の〃心筋梗塞、狭心症〃です。大腸を栄養する血管の動脈硬化や血栓が引き起こす病気ですが、突然の腹痛と出血で始まり、かなり危険な病気です。

少し難しくなってしまったかもしれませんが大腸の病気の症状はそんなにありません。腹痛、便通異常(便秘、下痢)、腹部膨満感(吐き気も含む)、出血(下血、黒色便など)ぐらいです。これらの症状から医者は前述した様な病気を考えていきます。それではどんなとき医者に診てもらったらいいか?先ず出血です。これは必ず診てもらってくだざい。勿論痔からの出血の頻度は高いのですが痔であれば或る意味で幸いです。出血は真っ赤な血が出るだけではありません。真っ赤な血が出るときは痔の可能性が高いのですが赤茶けたり、黒色の便が出た時のほうが大腸の病気の可能性は高くなります。次は腹痛です。これは判断が非常に難しい症状です。激しい痛みのときは先ず耐えられずに医者に診てもらうから間題ありませんが、日常よくある痛みが最も難しい所です。

次に痛みの位置ですが、大腸疾患の痛みは下腹部に多く、そのなかで左側の痛みは病気でないことが右側にくらべて多いようです.

次に期間ですが何十年も続いている痛みは先ず心配ないでしょう。数年は他に便通異常や出血等が伴わなければ心配ないでしょう。ここ1年、半年、何か月か続く痛みは診てもらったほうがいいでしょう。1か月ぐらい、2、3週間のいたみは診てもらいましょう。1週間以内に治った痛みはどちらでもいいです。ただ他の症状が普段と違って伴う場合は診てもらうべきです。最後に便通異常です。便通異常は様々な要素で影響されるものですが大体その人その人で一定です。一番大切なことは自分の便通を知っておくことです。例えばいつも毎日ある便通が3日以上なくなったとか便秘の人が薬も飲まないのに下痢が続いたりした時などです。もう一つはご自分の便をみる習憤を着けることです。昔の和式便所では便を見るのも難しいかもしれませんが、水洗の和式,洋式のトイレでは拭いた紙を捨てる際便の上に落とさないようにして便をみる工夫したら簡単に確認できると思います。見る項目は太さ、長さ、柔らかさです。いつも違う人もいますが御自分の便がどういうものか知っていれば、その変化はおのずと解るものです。そしてその変化が病気を早く見つけるきっかけとなります。ただどのくらいの期間その変化が続いたら異常するかは難しいですが、腹痛のときと同じ判断で考えたら良いと思います。以上簡単に大腸疾患のあらましと症状などについて述べました。ご自分で心配なことがおわりでしたら気楽にご相談ください。次回大腸がんについてお話したいとおもいます。

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